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<時効廃止>改正刑事訴訟法成立へ 未解決事件にも適用(毎日新聞)

 人を死亡させた罪の公訴時効を見直す刑事訴訟法改正案の質疑が27日午前、衆院法務委員会で始まった。採決後に同日午後の本会議で与党と自民党などの賛成多数で可決、成立する。同日中の公布・施行を目指しており、施行後は時効を迎えていない未解決事件にも適用される。公訴時効制度の見直しは、期間を延長した05年の改正以来5年ぶり。一部の罪の公訴時効が廃止されるのは刑事訴訟法の前身である治罪法制定(1880年)以来初めてで、刑事政策の転換となる。

 殺人や強盗殺人など法定上限が死刑に当たる12の罪は、現行の25年から時効廃止とした。強姦(ごうかん)致死など上限が無期懲役刑の場合は30年(現行15年)、傷害致死や危険運転致死など上限が懲役20年の場合は20年(同10年)、自動車運転過失致死や業務上過失致死などその他の懲役・禁固刑は10年(同5年)と、それぞれ倍に延長した。

 過去に発生した事件でも、時効が成立していなければ適用対象となり、法定上限が死刑である罪の場合、即日施行なら95年4月28日以降に発生した未解決事件は時効が廃止される。

 同日に岡山県倉敷市で起きた夫婦殺人放火事件をはじめ、八王子スーパー強盗殺人事件(95年7月)や、東京都葛飾区の上智大生殺害事件(96年9月)といった過去15年間に設置され、未解決である373の殺人などの捜査本部で捜査が継続される。ただし、相当の期間が経過し、犯人が死亡していると推定される時点で不起訴処分とし捜査は終結する。

 一方、証拠保管や捜査態勢の継続など捜査上の課題は残る。参院法務委員会は付帯決議で、(1)冤罪(えんざい)が発生しないよう捜査資料や証拠物の適正な保管(2)初動捜査態勢など捜査力の向上(3)法改正効果の検証(4)医療事故捜査で医療の萎縮(いしゅく)がないよう努める--などを求めた。

 05年の刑訴法改正で、殺人罪の公訴時効を15年から25年に延長するなどの時効制度見直しが行われた。だがその後、未解決事件の遺族を中心に時効廃止を求める声が高まり、法務省は昨年1月に省内勉強会を設置。自公政権で森英介前法相が殺人罪の時効を廃止する方針を示した。

 民主党は昨年公表した政策集で「悪質な重大事件に限り検察官の請求で中断を認める」との案をまとめたが、政権交代後も被害者や遺族の強い要望に応える形で廃止案を踏襲した。過去の事件への適用は、遡及(そきゅう)処罰を禁止する憲法違反との学説もあったが、法務省は憲法上の問題はないと判断した。【石川淳一】

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